<税理士不申告>「マルサ」出身、税務行政の信頼損ねる恐れ
東京国税局元幹部の税理士2人が、課税処分取り消し交渉などで得た多額の報酬を税務申告していなかった問題は、2人が脱税を摘発する査察部(通称・マルサ)出身だけに、税務行政の信頼を損ねかねない深刻さをはらんでいる。
所得税法の解釈を示す基本通達には、報酬の計上時期について「役務提供が完了した日」とある。このため2人は、受け取った金は職務完了で得た報酬ではなく、あくまで途中の「預かり金」と主張する。しかし、ともに交渉業務を行った元大蔵省審議官の杉井孝弁護士や、関与した別の税理士らは報酬として申告している。2人の対応だけが異なっており、説得力は乏しい。
納税者自らが所得を確定させて納税する「申告納税制度」の下で、税理士は制度を支える重要な役割を担う。特に国税OBの税理士の多くは、経験を生かして納税者の利便を図るだけでなく、無料税務相談に協力するなど、現役職員を支える存在でもある。「後輩の業務の負担を少しでも軽くしてやりたい」と、自分の所得については経費を差し引かずに申告する人もいる。
02年には、元札幌国税局長が2億5000万円余の脱税事件で逮捕・起訴(実刑確定)されている。税務の信頼性を保つためにも、国税OBの税理士は一層、襟を正す必要があるだろう。【高島博之】
引用元 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080825-00000011-mai-soci
